・良いペアとそうでないペア
魚にも人間と同様に相性があります。しかし、これは一緒に飼ってみなければわかりません。
お店で購入する場合は、幼魚のうちに10匹以上購入して育てれば何組かペアが出来るでしょう。
初めから成魚を購入する場合は、よく観察して仲の良さそうなのを選びましょう。
特に、ペアを重視するのは、シクリ科に属する魚です。このグループの魚はオスとメスで孵化して
育仔のめんどうをみるからです。
・繁殖用の水槽
繁殖用の水槽は別に準備しましょう。その理由は、他の魚に卵を食べられないようにするためと、
卵が雑菌などに侵されないようにするためです。
小型のカラシン科、卵生メダカなどの産卵用の水槽は 45×30×30cmのガラスか、アクリルの水槽。
中型のカラシン科、中型のコイ科、小、中型のシクリ科、中型の
アナバンティ科の魚などは60×30×36cmの水槽。
大型のシクリ科、コイ科の魚は、90& times;45×60cmの水槽にそれぞれ1ペア入れて産卵させます。
水槽は静かで刺激のない場所に設置しましょう。
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45×30×30cm |
60×30×36cm |
90×30×36cm |
産卵、孵化させるには、水質、温度を魚種の好みに合わせます。
水質はphを調合します。
水質は平常の温度より2℃ぐらい高くしてやります。
照明はふだんより明るめにします。(一部の魚種を除きます。)
・産卵巣の作り方
胎生魚の場合は、水草を入れて生まれたての稚魚が他の魚に食べられないようにします。
アナバンティ科などは、水面に浮かせた水草を基礎に泡巣を作るものもあります。
・産卵場所
カラシン科、コイ科などは水中に卵をばらまきます。
アナバンティ科は、泡巣に埋め込みます。
シクリ科は、水底に穴を掘ったり、岩の上に産みつけたりします。
エンゼルフィッシュなどは、幅の広い水草の葉面に産みつけます。
・孵化までの日数
魚種によって孵化日数は異なります。
カラシン科、コイ科などは1〜2日、シクリ科は2〜3日で孵化するものが一般的です。
卵生メダカ科では、2週間〜5週間以上かかるものもあります。
孵化の日数は水温にも左右され、水温が低いと孵化日数がかかります。
産卵した卵が孵化しない場合、次の2つの理由が考えられます。
1つは、オスが射精していなかったか、精子のきき方が悪かったことで、卵が無精卵であるかも
しれないということ。
もう1つは、細菌に侵されてしっまているケースです。
カラシン科、コイ科、卵生メダカ科の稚魚は親と別にします。
シクリ科は両親が、アナバンティ科はオスが孵化から育仔のめんどうをみます。
稚魚に与えるエサは、専用のエサが市販されています。
稚魚が著しく小さい場合は、微粉末か、ゆで卵の黄味を溶かして与えます。
シクリ科の稚魚などは、最初は一日に3〜4回ブラインシュリンプ(市販されているプランクトンの卵)を孵化
させて与えます。