病名 |
病状 |
治療法 |
白点病
|
熱帯魚の病気のおよそ八割が白点病だといわれるほど多い病気です。熱帯魚のヒレや体に白い斑点ができ、ひどくなると全身が白い粉をまぶしたようになって死んでしまう病気です。イクチオフチリウスという原生動物によっておきる病気で、この病原虫は、魚の皮膚の下に寄生し、水の中を泳いで他の魚に移ります。水温が下がって熱帯魚が衰弱したときにかかりやすく、水温が高い水槽ではほとんど発生しません。
|
白点病の特効薬は塩酸キニーネです。水では溶けにくいので、お湯を使って溶か 28〜30℃にした水槽に入れ、その中で病魚を3〜5日薬浴させておくと治ります。メチレンブルー溶液や食塩水に入れておいても効果があります。 |
水カビ病 |
傷口からカラムナリスという水棲菌が入って起きる病気で、患部が白い綿を被ったようになるので、ワタカブリ病とも呼ばれます。小型魚は傷がついてもわかりにくいので、移動などで傷ついている恐れがあるときは、メチレンブルー液を少し水槽に入れてやれば予防になります。
|
1〜15%の食塩水に入れてやれば、あまり重症なものでない限り治ります。大型魚なら綿をピンセットで取り除き、メチレンブルー液を患部に塗布しても効果があります。 |
口ぐされ病 |
これもアラムナリス菌によっておきる病気で、口や頬のあたりに綿毛様のものが付き、放っておくと食欲をなくし、病弱死します。グッピー、ソードテールなどの胎生メダカ科の熱帯魚に多い病気です。また、伝染力がひじょうに強く、病気の発生後数日で水槽の熱帯魚が全滅することもある怖い病気です。
|
水カビ病と同じ治療法です。また、パラザンの水溶液を早期に患部に塗布してやるのも効果があります。
|
尾ぐされ病 |
この病気もカラムナリス菌によって起きることが多く、グッピーによく見られる病気です。尾やヒレがバサバサに裂け、白くふやけて、次第に体まで変色していきます。伝染病なので、早期の発見、治療を要しますが、完治すれば、痛んだ尾やヒレは元どおりに回復します。
|
ペニシリン系の抗生物質がよく効きますが、現在は入手困難のため、ニトロフラゾンが使われます。 |
松かさ病 |
ベタやグッピーがかかる病気です。ウロコが松かさのようになり、その後魚体が膨らんでくるので産卵と間違うこともあるようです。水が汚れたときに発生しますが、原因ははっきりしていません。
|
初期に発見すれば、塩水に入れるだけで治ります。また、クロロマイセチン溶液で薬浴させても効果があります。 |
ネオン病 |
ネオンテトラ、グローライトテトラなどの蛍光色の強い熱帯魚がかかり、色が抜けたようになって死んでしまう病気です。原産地でかかったものがほとんどで、長く飼っている熱帯魚がかかることはありません。
|
エルバジン、グリーンFの水溶液を入れ、水温を23〜25℃と低めに設定した水槽で飼育すると治ります。 |
ディスカス病 |
日本では、87年頃にみられるようになった病気で、体表から白濁した粘液を分泌し、ひどくなると体中にクモの巣がついたように見えます。ディスカスとエンゼル・フィッシュがかかりますが、原因はわかっていません。
|
pHを5まで下げ、2日くらいマカライトグリーンの薬浴をしたあと、水を換えてニトロフラゾンを入れた水槽で飼育します。 |
気泡病 |
ヒレに粟粒状の気泡ができ、だんだん水ぶくれのように大きくなって、自由に泳ぐことができなくなります。水槽の水が古くなると発生しやすいようです。水が澄んでいても、ときどき差し水や部分的な換水をしましょう。
|
初期なら水を入れ換えるだけで治ります。ひどくなってしまった場合は、メチレンブルー、ニトロフラゾンなどの溶液で薬浴させます。 |
背コケ病 |
家の肉が急に落ちて、動きが鈍くなる内臓の病気です。病気が進むとエサを食べなくなります。キッシング・グーラミィ、シルバー・バルブ、シルバー・シャークなどがかかりやすい病気です。
|
原因がわからないので、水質の管理をきちんとし予防を心がけます。発病したらパラザンの水溶液を人口飼料に混ぜて与えるようにします。 |
エラ病 |
エラにダクチロギルスなどの虫が寄生して起きる病気で伝染性があります。エラが冒されるために呼吸ができなくなり、水底でじっと動かなくなります。また、平衡器官にこの虫が入ると、熱帯魚は、グルグル回ったり、ガラスにぶつかるほど激しく泳ぎだすなど、狂ったような動作をします。
|
軽度のときは、水を換えるだけで治ります。メチレンブルーの薬浴が効きますが、ペニシリン系の薬が特効薬です。
|